ルールの横流しではなく、背後にある葛藤と曲折を通じて落合氏のキャリアと美学から紡ぎ出される「ハードボイルドな文体」は、時にその著作と人となりに「ルールに縛られた<宣教師>」的なイメージを与えてしまっていると思われるフシがあります。しかしこの本に関して言えば、<彼自身の葛藤と苦労の歴史>が垣間見られることで、「なんだ、自分と同じじゃないか?!」という安心感が感じられるかも知れません?もちろん、そこから「一芸を生み出す」のが氏の真骨頂であり、我々とは違う箇所なのですが…。そういう理由からも、個人的にはこの本が最も好きです。
上記のエピソードをいくつか紹介しますと、例えば、自分にあったスーツを見つける<力量>のベースとなった米国での販売員のアドバイス、ティファニーでの気負った買い物の失敗例、「エドワードグリーンなど見かけない」が良く手入れされた靴を履いている英国人の例、等。これらを読み返すたびに<服と服装の違い><分相応のレベルにおけるエレガント(注意深く選択する)>ということを考え、また「勇気づけられる」気がします…懐が寒くても頑張りましょう! 逆に言えば「年収1000万円超えないと、ジョンロブは履きづらいよね(※主に出費)」とも思ってみたり…。夭折◯◯評論家という職業人はその業界べったりで狭義には広告塔であったりもする。
これは基本的には日本社会における持ちつ持たれつの文化が作り出しているのだろうが、ルールなき資本主義という強壮剤を得てさらに助長されている感がある。
自動車評論家はその最たるもので、世界の基幹産業である自動車産業の接待漬けにあえばそうならざるを得ない。また評論家連中を抱え込めば少ない投資で数多の情報を得る事ができメーカーも一石二鳥だろう。
この事実は隔年で行われるモーターショーでの一般公開前日のパーティー会場と化した展示ホールを見れば歴然である。まさしく接待漬けとはこのことだというのがわかる。
業界はちがうが、服飾ジャーナリストという肩書きを持つ本書の著者もそういった恩恵に授かったひとりだろう。
ジャーナリストというなら最低は是々非々の判断くらいなくては失格である。接待漬けのかわりにベタほめのほめ殺し記事では消費者を裏切っているも当然だ。
あえて落合氏の著書に苦言を呈してきたのはジャーナリズムの原点を忘れて欲しくなかったからだが、お亡くなりになられたとのことで死者にむち打つの失礼だが、最後まで偏向した主義を貫かれたことに哀悼の念を表したい。じっくり読める本です「これを買え!」というふうなマニュアル本だと思ってはいけません。
ブリオーニの50万もするスーツを、簡単に買えるわけありません。でもブリオーニが、格安のスーツとどう違うのかを知りましょう、ということです。
そうすれば、2万9800円のスーツの中からでも、それなりのものを選べます。
また、書いてあるままのコーディネートだと、普通はすっごく地味な格好にしかならない。基本をしっかり知った上でどうくずすか、ということでしょう。
このあたりマニュアル本ではない、頭を使う本です。そこが面白い。???女性について言うときには「おしゃれ」と書き、男性について言うときには「お洒落」と書くことが多いのではないだろうか。柔らかな視覚的印象を持つ「おしゃれ」がほのめかすのは華やかな色彩やふんわりとしたドレスであり、ややレトロな「お洒落」という文字面からは仕立てのいいスーツのきりっとしたシルエットが連想される。「お洒落」という文字の入ったタイトルを持つ本書は、そのイメージを裏切ることなく、男のクラシックな服装への思いを語ってやまない。 ?「男のお洒落」は俳句にたとえると有季定型のようなものであり、シバリがきつい。それについて語ろうとしても、けっきょくは「いいものをルールにのっとって着ましょう」ということに集約されてしまうので、ファッション評論家たちは昔のエピソードを探し出してきてウンチクを傾けることに腐心する。しかし、けっきょくイギリスの王室や貴族、アメリカの映画俳優の話題になってしまい、なかなか目新しい本が生まれない。そのなかで、著者はイタリアのハンドメイドの伝統を研究し、テーラーや靴職人などの綿密な仕事ぶりを詳しく紹介することで他の評論家の書くものにはない特色を出している。また、服を買う(あるいはオーダーする)ときに気をつけるべきこと、服と服、あるいは服と靴の組み合わせ方についても細かなところまで目を配っている。 ?「お洒落は学習である。スポーツを習うことにも似ている」と著者は書いている。本書はお洒落を日々学習する意欲のある人のための教科書だ。安直なブランドショッピングの手引き書ではない。お金もかけ、時間も割く覚悟がないとここに書いてあることを実践するのはなかなか難しいが、読むだけでも「男のお洒落」の奥深さを感じるには十分だ。(松本泰樹)落合 正勝男の服装 お洒落の基本
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ルールの横流しではなく、背後にある葛藤と曲折を通じて落合氏のキャリアと美学から紡ぎ出される「ハードボイルドな文体」は、時にその著作と人となりに「ルールに縛られた<…